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犬の僧帽弁閉鎖不全症について|発症しやすい病気のひとつ

僧帽弁閉鎖不全症は、犬によくみられる心臓疾患の一つで、心臓・血管系の病気全体の70%以上を占めるといわれています。この病気は、心臓弁膜の一つである僧帽弁がうまく閉じなくなり、結果として血液の逆流が起こり心臓に負担がかかってしまいます。また、加齢によって進行しやすいため、特に中高齢の犬に注意が必要です。

今回は犬の僧帽弁閉鎖不全症について、原因や症状、治療方法などを詳しくご紹介します。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

原因

心臓は、右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋で構成されます。心臓の「弁」は各部屋の扉のようなもので、血液の逆流を防ぐ役割を持ちます。
僧帽弁とは、左心房と左心室の間に位置する弁で、この弁が正常に機能しなくなると血液が逆流し、僧帽弁閉鎖不全症と呼ばれる状態を引き起こします

詳しい原因は明らかではありませんが、老化や遺伝的要因などが原因で発生すると考えられています。特に高齢の小型犬で発症するリスクが高く、キャバリア、シー・ズー、トイ・プードル、チワワ、ポメラニアンなどが好発犬種として知られています。

症状

僧帽弁閉鎖不全症は、初期の段階では飼い主様が気づくほどの症状が出ません

ある程度進行すると、興奮時に咳が出る症状がみられます。また、運動能力が低下し、散歩中すぐに座り込むことや、息切れをすることがあります。さらに病状が悪化すると、走ったあとに突然倒れることがあるほか、重症の場合には「肺水腫」と呼ばれる肺に水が溜まって呼吸困難を引き起こす状態になる恐れもあります。

診断方法

診断は主に症状のヒアリングレントゲンなどの検査による診断を行います。しかし、病気の確実な診断を下すためには心臓の超音波検査が必要です。

治療方法

治療には投薬治療と手術の2つの方法があります。
一般的な治療方法としては投薬治療を行い、心臓の動きを強める薬や血管拡張薬などの薬を使用することで、症状の改善や進行の遅れが期待できます。

また、投薬治療は進行を遅らせることが目的で、生涯治療を続ける必要があります

予防法やご家庭での注意点

今のところ確実な予防法はありませんが、予防法のひとつとして肥満にさせないことが重要です。また、できるだけ病気の初期段階から治療を開始することにより、進行を遅らせることができます。

この病気は特に高齢の小型犬で発症のリスクが高いため、一緒に暮らしている飼い主様には、定期的な健康診断を推奨します。

まとめ

僧帽弁閉鎖不全症は犬と暮らす飼い主様にとって、最も注意しておくべき病気のひとつです。僧帽弁閉鎖不全症は、確実に少しずつ進行していくため、愛犬の様子に異変が感じた場合、早めに動物病院へ連れていくことがおすすめです。

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